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Posted bymarielvincenzi

「あの日」のこと ~こうして遠距離は始まった~

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丸1年以上が過ぎた今でも「あの日」のことを

思い出すとハートがぎゅうっと閉じてしまう。



「あの日」、そう、何の予告も心の準備もないまま

突然に遠距離が始まってしまった日のことだ。





イタリアの彼の実家で3週間クリスマス休暇を過ごし

ハワイへ戻る途中の乗り継ぎ地、ダラス空港。

入国審査の長い列に並ぶ。

彼はグリーンカードを持っているので

違う列で既に審査を済ませ、私から数メートル程離れた

通路に立って私のことを待っている。



ホノルル行きの乗り継ぎ便の出発まで

もうあまり時間がない。

やっと私の番になり、やれやれと思ったのも束の間

係官の男性が「ちょっと待って」と

隣の先輩らしき女性係官に何やら相談すると

「こっちへ来て」と言うではないか。

もしや別室送り~?!

奥の部屋へ向かう途中、こちらを見ている彼と目が合う。

彼の後ろの窓から差し込む光が明るすぎて

はっきりとは見えなかったけれど。

そして、それが彼の姿を見た最後の瞬間だった。



それからの7時間というもの、外との連絡は取れず

別室に缶詰状態でねちねちと拷問のような尋問を受け

アメリカ入国を拒否された私はそのまま翌日の便で

日本へ返されることになってしまったのだ。



夜中にやっと尋問から解放されたものの

その晩はなんと留置所に泊まることに。



彼は今頃一体どこでどうしているんだろう。

死ぬほど心配しているだろうな。

「個室」に備え付けの公衆電話で彼の携帯に

コレクトコールしてみるが何度やっても

機械の声で「この番号には繋げません」の

繰り返し。

諦めて横になる。



変な感覚。

まるで自分の身体から魂が

抜け出してしまっているようだった。

一体今自分の身に起こっているらしいこの出来事が

現実なのか夢なのかはっきりわからない。

感情も無くなっている。

こんな状況なのに涙も出ない。



結局一睡も出来ないまま朝を迎えた。

個室の扉についている四角い穴から

朝食とおぼしきものが差し出される。

レモネードを薄めたような黄色の液体と

ソーセージマフィン。むかつく臭いだ。

「こんなもの食えるか~!」と心の中で叫ぶ。

そういえば最後に食べ物を口にしたのはいつだっけ?

空腹感すら感じない。

極限状態に置かれると人間の身体って

すべての感覚をシャットダウンしてしまうのかしら。



空港の別室へ戻ると、昨日私を尋問した

同じ係官が待っていた。

私を日本へ送り返すこと=国のために自分の職務を

忠実に遂行していること、に満足気な表情だ。

電話を使わせてくれるというので

彼の携帯へかける。



「あぁ、アモーレ、アモーレ、

 今どこにいるの?大丈夫?

 何も心配しないで。

 ボクたちはいつも一緒だからね!」



彼は私を待っていたため

結局ホノルル行きの飛行機に間に合わず

昨日はLAのホテルに泊まったらしい。

彼も眠れず、食事も取れなかったとのこと。

係官がジェスチャーで早く切れと言ってきたので

成田に着いたらまた連絡すると告げ電話を切った。



顔を洗いたいから、とトイレへ行く。

彼の声を聴いたことで今まで遮断されていた

感情が一気に溢れ出し

涙でぐちゃぐちゃになりながら嗚咽した。

絶望感と、彼のつらさを思うと切なくて

涙が止まらない。

顔を洗ってはまた泣いて、の繰り返し。

係官が「大丈夫か?」と様子を伺ってきたので

最後に冷たい水を顔にかけ気を取り直して

部屋へ戻る。



自分の携帯を確認すると

彼から10件のヴォイスメールと

テキストメッセージも入っていた。

私がどこでどうなっているのか全くわからず

どんなにか心配していたことだろう。

申し訳ない気持ちと、彼に会えない寂しさで

また涙が出てきた・・・・・・・







こんな風にして私達の遠距離は

ある日突然に始まったのであった。



1年間、遠距離で二人の関係を進展させながら

少しずつこの日の出来事を消化してきた。



ハワイでの同棲生活は確かに幸せだったけれど

いつも心のどこかで



「彼と長い関係を築いていくには

 このままではいけない。

 一度彼から離れて一人にならなければ。」



と思っていた。でも目の前の生活は楽しくて

結局自分から何も行動を起こせないまま

ズルズルと過ごしていたのだった。

だから代わりに宇宙が「強制送還」という方法を

使ったのだろう。



遠距離の期間は、離れていながらも

お互いをより知ることが出来たし

相手をケアするためにはまず何より

自分をケアしなければ、ということを

学び実践する良い機会にもなった。



結果的に二人の絆は格段に深まり

このたび晴れて結婚するに至ったわけで。



局部的に見たら悲劇的な出来事かもしれないが

一歩引いて眺めてみると、アラ不思議、

そこには全く違った絵が描かれていましたとさ、

というお話でした。







私と彼を支え、励ましてくれた

たくさんの方々のサポートに

心から感謝します。



※意地悪係官にもね。

 大変な役割を見事に果たしてくれました。




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