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Posted bymarielvincenzi

手の記憶

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私の目尻ににじんだ涙を

彼が舌でやさしく

舐めとっていく・・・・・・






強い風が続いている

日曜日の夕暮れ、

私の部屋の窓から

サンセットにむけて

刻々と様子を変えてゆく

雲の多い空が見える。





ベッドに仰向けで寝ていた

私の上に彼の身体が重なってきた。



彼が泣いている・・・?



なぜなのかははわからない、

泣いている人に、なぜ泣いているのかと

訊くのはなんだかおかしなかんじがする。

理由なんか知る必要はない、

私はただ黙って彼を

抱きしめていた。



彼の涙が伝染して

私も自然に涙が溢れてくる。



私の手を握りしめている

彼の温かくて大きな手

今までどれくらいお互いの手に

触れ合うことで言葉を使わずに

コミュニケーションをしてきただろう。



そのたびに

この手を放したくない

そう強く願ってきた。



彼と一緒に生きていきたい

そういう運命であって欲しい、

彼と出会ってから

ずっとずっと願い続けてきた。







数年前、自分にとってかけがえのないものを

立て続けに失ってから

私には執着心というものがなくなった。



何かを手に入れたとしても

それは一時的なこと。

それが”自分のもの”になることは

決してない。



すべては変化し流れていくのだから。



そんな風に

”なんちゃって悟った人”

なったつもりで

毎日穏やかに幸せに

暮らしていたのだ。



そう、彼に出会うまでは。



いま私の心は恐れでいっぱいになっている。

彼を失うことに対する恐れ。

彼のいない日々を生きていく勇気がなくて

不安で揺れている自分がもどかしい。



「だいじょうぶ、

心配しないで。」




彼が私の耳元で

やさしく囁く。



そして彼の手が

私の髪をそっと撫でる。



私の身体中の細胞にきざまれた

彼の手の感触の記憶

その動きに同調して

振動し始める。



それは魂にまで伝わり

「彼の手」というタイトルがついて

魂のファイルに保存された。



ちょっと切ない感情と一緒にね。









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